AGA治療は20代からでも効果ある?内容や費用の目安について

2022/05/16 薄毛・AGA治療

AGA治療は20代からでも効果ある?内容や費用の目安について

若い世代の男性でも薄毛で悩む人が増えています。特に20代の薄毛の原因で注目されているのがAGA(男性型脱毛症)です。

AGA治療を20代のうちから始める場合、内容や費用について気になりますよね。そこで、この記事では20代の人を想定したAGA治療について解説します。

20代で薄毛がみられるケースは少なめ

薄毛の悩みと疎遠なイメージがある20代ですが、若い男性の中にも薄毛で悩んでいる人はいます。

しかし、頭皮の皮膚疾患を除けば、20代で薄毛になる例はかなり少なく、自分が本当に薄毛やAGAなのかしっかり見極めることが大切です。

特に20代前半までは、額の生え際が成人型に移行する時期であるため、「額が少し広くなっている」と感じてしまうことがあります。成人型の生え際の移行は自然なことなので、20代後半には落ち着くことがほとんどです。

もともと髪が薄い人であれば、髪の全体量、つむじや分け目周辺のボリュームが気になることもあります。

20代でAGAになる割合は?

男性の薄毛にはいくつかの原因がありますが、薄毛全体の30%を占めるのがAGAです。AGAは額の生え際や頭頂部から起こる脱毛症で、男性ホルモンと関わりがあり、遺伝的な体質によって起こります。

AGAがみられる割合を年齢別にみると、20代が10%、30代が20%、40代が30%、50代以降で40%以上と、年齢を重ねるにつれて割合が高くなります。

ただし、AGAではないのに、生まれつき髪の毛が薄く、つむじが透けて見える人もいれば、生え際のラインがゆるやかなM字の人もいます。

データからも分かるように、20代でAGAになる割合は少ないものの、まったくゼロというわけではありません。20代男性で薄毛が気になる人は、まずは自分がAGAかどうかを知ることが大切です。

マイクロスコープによりAGAを診断できる

マイクロスコープによりAGAを診断できる

20代の男性でAGAかどうかを知るには、髪の毛のミニチュア化が起こっているかどうかを調べます。AGAになるとヘアサイクルの成長期が短くなり、休止期が長くなるため、薄毛の部分の毛が十分に成長せずに細くなる傾向があります。

皮膚科や薄毛クリニックでは、頭皮をマイクロスコープで観察して、毛のミニチュア化が起きているかどうかを調べることができます。

適切な治療を受けるためにも、AGAの診断を受けるときは、マイクロスコープによる診察を行っているクリニックを選ぶことが大切です。

20代で受けるAGA治療と費用の目安

20代で受けるAGA治療と費用の目安

20代という若い時期にAGA治療を始める場合、順を追って治療を受けることが大切です。AGA治療は大きく分けて薬物療法と植毛治療があります。はじめから植毛を選ぶのではなく、まずは薬物療法を受けるのが定番です。

AGAは進行性の脱毛症であり、症状の進行具合をみながら、生涯にわたって治療していく必要があるためです。ここでは、主なAGA治療の内容と費用の目安について、順にみていきます。

20代にお勧めのヘアケア

AGAに限らず20代で薄毛が気になる人は、クリニックで薄毛治療を受ける前に、まずは市販のヘアケア剤を試してみましょう。

「市販の製品は効果がないのでは…」と考えている人もいるかもしれませんが、ヘアケア剤に含まれている成分の中には、AGAの診療ガイドラインで推奨されているものもあります。商品ランキングの上位の商品ではなく、以下の成分を含むヘアケア剤を選ぶのがおすすめです。

ミノキシジル・アデノシン・カルプロニウム塩化物・t-フラバノン・サイトプリン・ペンタデカン

特にミノキシジルは、薄毛治療の発毛薬としても使用されている成分です。

市販のヘアケア剤は医療機関の処方薬よりも濃度が低く、安全に使いやすいメリットがあります。市販のヘアケア剤にかかる費用は1カ月数千円から1万円程度です。

AGAと診断されたら薬物治療

市販のヘアケア剤を使っているのに何となく薄毛が進行している……という場合は、AGAかどうかの診断を受けて、必要な治療を受ける必要があります。AGA治療の第一選択となるのが薬物療法です。

AGAの薬物療法には外用薬と内服薬があります。外用薬に用いられている主な成分がミノキシジルで、血行を促進することで発毛を促す効果があります。特に頭頂部の薄毛に効果が出やすいのが特徴です。

AGA治療で使われる内服薬の主成分はフィナステリド(商品名:プロペシア)です。フィナステリドにはAGAの原因である男性ホルモン「DHT」の産生を抑える効果があります。発毛効果はありませんが、AGAの進行を抑えるのに役立ちます。

AGAの薬物療法の費用の目安は、外用薬1カ月分が15,000円、内服薬が7,000円程度です。

メソセラピーや再生医療を用いる頭髪治療もありますが、エビデンスがあるわけではなく、継続して治療を受けられなければ、効果は期待できません。費用も高額な傾向があるので、治療法を選ぶ際には十分な検討が必要です。メソセラピーについては【育毛メソセラピーとは?どんな治療?効果はある?】に詳しくまとめております、再生医療については【植毛しない薄毛治療!?幹細胞によるAGA治療とは】をご覧ください。

20代では少ないが…最後の手段は植毛

20代でAGAを発症した場合、植毛治療をすることは少ないかもしれませんが、「最後の手段」として植毛についても説明しましょう。

植毛には人工毛植毛と自毛植毛があります。人工毛植毛は有害報告が多数されており、アレルギーリスクもあるため一押しの治療法ではありません。AGA治療の植毛で一般的なのは自毛植毛です。

自毛植毛は男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の髪をドナーとして、薄毛部分に移植する方法です。一度生着すれば、半永久的に髪の毛が生えていくので、AGA治療の最終手段として選択されています。【薄毛で悩んでいる人におすすめ!自毛植毛を徹底解説】に自毛植毛の特徴について網羅的に解説しておりますので、興味がある方はご覧ください。

20代で自毛植毛を受けるケースは少ないかもしれませんが、薬物療法の効果が思わしくない場合、最後の切り札として自毛植毛を検討してみるのもよいでしょう。

自毛植毛にかかる費用は、ドナーの採取方法や移植数によっても異なります。多くのクリニックでは、手術代と移植株の数によって料金が決定します。費用の目安は、【自毛植毛にかかる費用・料金の相場とは】に詳しく紹介しておりますが、メスを使った自毛植毛で1000株移植する場合は80万円程度、メスを使わない自毛植毛で1000株移植する場合は120万円程度になります。

20代でAGA治療を始めた場合の症例

20代でAGAと診断されたら、早めに対策をしたり治療を受けたりすることで、薄毛の進行を抑えることができます。ここでは20代のAGA治療の症例についてみていきます。

M字の剃り込みが深くなってきた20代男性
初診時にはヘアラインの後退はないものの、M字の剃り込みがやや深めだった男性。外用薬と内服薬の治療により、4カ月目には剃り込み部分からうっすらと毛が生えるように。薄毛箇所に濃淡ができたことで、ヘアラインが真っすぐな印象にまで改善。
つむじ周りが透けている20代男性
初診時にはつむじを中心に頭頂部の薄毛が目立つ状態でした。半年間の外用薬と内服薬の使用により、頭頂部の髪のボリュームが向上。現在では、ヘアパーマを楽しめるまで改善。
頭頂部の薄毛が目立つ20代男性
初診時は頭頂部に手の平サイズにわたって、毛のミニチュア化がみられ、薄毛がかなりみられていた男性。内服薬と外用薬による治療により、3カ月で薄毛箇所のボリュームが半分ほど増加、5カ月でつむじがやや透ける程度にまで改善。

上記の症例のように、20代のAGA治療のメインはほぼ薬物療法です。薄毛クリニックの中には、年代別のAGA治療の症例を紹介しているところもあります。

さまざまなAGA治療の症例を比べながら、クリニック選びの参考にしてみましょう。

20代から始めたい薄毛対策

AGAの主な原因は遺伝による体質ですが、食事や生活習慣、ストレス、誤ったヘアケアなどが原因で髪の発育に影響を与えていることがあります。またAGAに限らず、年齢を重ねるとともに、少しずつ頭髪は薄くなっていきます。

AGAでない20代男性の人も将来のために髪に優しい生活習慣を送ることが大切です。

生活習慣を整える

栄養の偏った食事や睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れが薄毛につながったり、AGAの症状を悪化させたりすることがあります。元気な髪が生えてくるためには、髪に良い生活習慣を送ることが大切です。

栄養バランスの整った食事は髪の材料につながり、十分な睡眠は細胞の成長や修復にかかわる成長ホルモンの分泌を促します。

適度な運動に取り組めば、全身の血行が促進されるので、頭皮の新陳代謝にも良い影響を与えます。また過剰な飲酒や喫煙は、頭皮の健康状態にも影響を与えます。飲酒はほどほどにし、禁煙を心がけましょう。

強いストレス

精神的なストレスが続くと円形脱毛症を引き起こすなど、髪や頭皮にとって悪影響があります。強いストレスにより心身の緊張が続くと、全身の血行不良を引き起こすためです。

髪を育てる頭皮に十分な酸素と栄養を行き届かせるためには、緊張とリラックスのバランスを取ることが大切です。ストレスで悩んでいる人は原因を取り除いたり、ストレス発散により気分を紛らわしたりするなどして対策を取り入れましょう。

誤ったヘアケア

男性は皮脂の分泌が多く、ベタつきが気になって1日に2回以上シャンプーをしている人もいるかもしれません。

シャンプーにより皮脂が洗い流され過ぎると、頭皮に負担がかかります。シャンプーは1日1回を目途に行いましょう。熱いシャワーではなくぬるめのお湯でシャンプーをすると、頭皮にも髪にも優しいのでおすすめです。

まとめ

20代でAGAを発症したら終わりというわけではありません。早い段階から必要な治療を受けたり、生活習慣やヘアケアに気を付けたりすることで、短期間で薄毛の症状を抑え込むことも可能です。

20代のAGA治療の基本は薬物療法ですが、効果を実感できない場合は、次のステップである自毛植毛を検討してみましょう。

  • 参考文献
    ・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
    ・Dクリニック https://www.d-clinicgroup.jp/clinic/
  • はてなブックマークに追加

RECOMMEND

-AD-