病気になった時に初めてわかる「本当に大切なこと」
筆者はゴールデンウイーク中、気管支炎を患った。咳のしすぎで背中が筋肉痛になり、一時は10秒後のことしか考えられなくなった。苦しみながらも目の前の1秒1秒に集中するうち、「余計な心配ごと」も消えていった。同時に、「大切ではないことに躍起になっていた自分」に気づいた。今回は。病気になったときにこそわかる「本当に大切なもの」をテーマにお送りしたい。
■「乾いた努力目標」が消えた
「人にすごいと思われるための目標追求」「相手のことを思い、過剰に労わる姿勢」「とにかく即レス、休日でも仕事対応の習慣」…。こうした努力をすることで、仕事や人生は少しずつ良くなっていく。それは、たしかに正しい。
しかし今回、これらを放棄することの大切さに気づいた。『もっと人生に響くことがあるだろう?』という声が心の奥底から聞こえてきた。病気が自分を振り返る良い機会をくれたのだ。
■心に響くことに耳を澄ます
努力体質の人ほど、何のために努力しているのかを忘れがちになる。努力家の人に問いたい。ここ1年の間で心に響くことはあっただろうか?
改めて思い起こすと、それはほんのわずかであることに気づくはずだ。もっと稼ぐために、もっと認められるために…そうやって努力することはいいことだ。しかし、大切なものに割く時間を失っていないだろうか? 心に響くことはもっと身近にある。いや、身近どころが足元にあった。
■あえて家族に頼ってみる
いまさらだが、本当に大切なものは家族であり、家族を守るために自分は頑張ってきたのだ。そして今回気づいたのは「あえて家族に頼ってみる」ということだ。
あえて頼り、世話をしてもらい、心から「ありがとう」と言う。これもまた、心から家族を大切に思うということなのだと改めて気づいた。ガンガン働き、男の意地を見せることだけが大切なのではない。弱みを見せて、力を借りる。頼ってみる。その経験で大切なものに出会えた気がした。いつかは滅びる身。心に響くことをもっと優先したいと思えた。
■予定を入れないという豊かさ
人生の最も大きな後悔は、やらなかったことへの後悔である。たしかに、それは正しい。でも、あれもこれも予定に入れ、それをこなすことに躍起になってはいけない。ただ、「乾いた目標」を達成するだけだ。
筆者の場合、 ゴールデンウイークは療養に費やしたため、予定を一つも入れなかった。その結果、心と体の赴くままに過ごし、結果的にベストな毎日を送ることができた。あえて予定を入れず、その先をどうとでも決められることの豊かさ、大切さに気づけた。
fs恥をしのんで書いた筆者の体験が、「心に響くこと探し」の一助になればうれしい。
この記事のライター
潮凪 洋介
エッセイスト・作家。著書累計70冊、168万部。「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」「アナザーパラダイスの見つけ方」「自分の壁の壊し方」など。大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」をプロデュース、累計7800人が参加。ライフワーククリエイト協会を設立、「会社でも家でもない”サードプレイス“で好きなことでライフワーク起業しよう」をテーマに講座を実施。
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