【全文掲載】男性の健康と幸福を語り合う「男塾」第5回《ビタミンDと男性ホルモン》#04
ここからが今日のメイントピックですが、ビタミンDと男性ホルモンのお話ですね。
男性ホルモン、まさに男塾ということで堀江先生のご専門の領域ですが、実はビタミンD、先ほどお話したようにステロイドホルモンということで、男性ホルモンと兄弟のような存在です。様々な働きをしています。
非常に興味深い論文が5年ほど前にでていまして、米軍兵士、いかついアメリカ人の兵隊さんで数は少なめですが130名くらいのビタミンD濃度を調べたわけです。その結果、兵隊さんでもビタミンD濃度が10~60。10しかない兵隊さんがいるわけです。
20ないと欠乏です。30ないと不足、ということはかなり低い。そして平均で30あるかないか、ぎりぎりでしたけど30未満の人が約半分いて、約半分の人で男性ホルモンとトータルのテストステロンの濃度を調べたところ、正の相関、すなわちビタミンDが高ければトータルのテストステロン値も高い。そういう綺麗なデータが得られた。という論文です。 これはFASEBという有名な権威ある雑誌ですから、信用してもいいデータだということでご紹介しました。
さらにはいくつもビタミンDとテストステロンの論文は報告されていまして、こちら一番わかりやすいデータですが、2012年に出た論文で、フリーテストステロンが下がるといわゆる男の更年期となるわけです。
日本人の平均値は7ng/ml。上の方の単位(日本の単位)がヨーロッパ系と違うので並べて書いてありますが、日本人の平均は(24~25ng/ml)です。だから悪くはないですが、フリーのテストステロンをマックスに持っていくには、30~40くらいが良いという統計データも報告されています。
日本人の平均値は7ng/ml。上の方の単位(日本の単位)がヨーロッパ系と違うので並べて書いてありますが、日本人の平均は(24~25ng/ml)です。だから悪くはないですが、フリーのテストステロンをマックスに持っていくには、30~40くらいが良いという統計データも報告されています。
ただ、ビタミンDが低いと男性ホルモンがどうも上がりにくい、そういう状況がありそうだとして、解析したデータではなく今度は介入試験と言いますが、ビタミンDを摂ればテストステロン男性ホルモンが上がるか?というレポートが2011年このPilzという、オーストリアの研究ですがここで発表されています。
プラセボ、いわゆる偽薬、ビタミンDを摂ってない群、若干は増えていますが有意差なし。
ビタミンDを摂った31群ではトータルのテストステロンは優位に増えたというレポートがあります。ビタミンDを摂った群、さらに詳しくトータルのテストステロンとフリーのテストステロンを見ると、トータルは先ほど言ったように増えている。 実際フリーについては、このように優位にフリーのテストステロンが増えていることが報告されています。10年くらい前のデータですが、こういうデータを見ると、やはりビタミンDは摂った方が男性ホルモンは増えそうだと思うわけです。
最近の医学論文はメタアナリシスと言って、いくつも論文を集めてきて、総括結論を出すといった論文がありますが、そこではまだ賛否両論ありビタミンDを摂れば必ず男性ホルモンが増える。そう言った結論が確立されている段階までは、まだいっていないと言えると思います。
とはいえ、こういうボディビル、いかにも男らしいというボディビルダー、私の知り合いもやっている人がいて少し聞いてみましたが、わざと皮膚を黒くするらしいですが、大変だなと思って聞いていました。
ボディビルダーがもし白いと何となく逞しく見えない、そういう所も日焼けしてビタミンDがいっぱいあった方が強そうだし格好良く見えるというのは、やはり人間というのは本能的にビタミンDを必要としている。 そういう所に結びつけるというのは、やりすぎかもしれないですがやはりビタミンDと男性ホルモンというのは大いに関係があります。
今日は時間がないのでこの辺は流しますが、ビタミンDと不妊症の問題ですね。男性性不妊が問題になっていますけど、ビタミンDは男の不妊症の治療に良いのではないか。
これも同じですね。後は前立腺がん、これも堀江先生のご専門ですがビタミンDを摂っておいたほうがどうも前立腺がんの予防ができるのではないかなど、そういう領域にもありますので男塾としては、ビタミンDは外せない栄養素の一つなのではないかと言えます。
ビタミンD補充療法はどうしたらいいのかというお話ですが、先ほど申し上げたように日に当たるか魚を食べるかサプリを摂るか、この3つしかありません。
日に当たるUV-Bというもので、紫外線とコレステロールからできたプロビタミンからビタミンDが作られるのですが、申し訳ないですけど日本の管理栄養士さんと話をしていると「干しシイタケですよ」とおしゃいます。
お聞きになったことがあると思いますが、最近はブームなので、きくらげでも良いのではないかと言われますが、これを見てください。鮭の切り身100gあると1500単位です。単位は後でお出ししますが、大体1000から2000単位毎日摂るとビタミンDは有効だと思います。
ところが干しシイタケ30g、上から撮影した写真なのでわかりづらいですけど20個くらい入っています。干しシイタケ20個食べてもビタミンDは150単位。すなわち鮭の切り身分を食べるためには、200個シイタケを食べないといけないですね。これ無理ですね、皆さん。
ですからシイタケは別の目的で食べていただくということで、ビタミンD補強のためには特に良いのは鮭だと言われていますけど、私は学生時代、北大で、この時期になるとよく筋子とか三平汁とか鮭の鍋とか食べました。今考えると自然の摂理に合った食べ物だなということがよくわかります。毎日塩鮭を食べるのが無理でしたら、サプリということになると思います。
昔、患者さんでビタミンDが20いかない欠乏している人に、1000単位飲んでもらいました。男性は何故か数値の上昇が弱く、1000単位摂っていただいて、せいぜいも上がっても25くらい。まだ不足状態です。そして女性の場合1000単位摂っていただくと、2倍くらいに増えました。それでも30ですね。
ですので、これは昔のデータですが最低でも2000単位。私は今5000単位くらい摂っていますが、それくらいの量を摂らないと血中濃度を上げることは出でき来ないのではないかと思います。
ビタミンD、先ほどお話したように非常に安いサプリメントです。ネットで皆さん自由にどなたでも買えます。1カ月分、毎日2000単位を摂ったとしても、安いもので1カ月数百円から500円出せば補充できます。 副作用は全く心配ありません。摂り過ぎがまずありえない。普通に1000単位2000単位では摂り過ぎになりませんので、ぜひビタミンDを摂っていただきたいです。 ビタミンDの原料は羊の油、ウールオイルからできるラノリンから作られていますので、ほぼ無尽蔵にある原料と言われています。単品では一番安いサプリメントですね。
より詳しいお話は、CMですみませんがつい最近2冊の本出させていただきました。ビタミンD一色でまとめたものが「最高の栄養」で、もう1冊が「最強の食事術」ビタミンD、亜鉛、マグネシウムこれら3つ巴で体で働いているのでそのあたりのご説明をしました。ぜひともこの冬にかけて今十分補充しておくことが新型コロナの冬を乗り切る、僕は一番お金のかからない安全で効果的な方法だと信じているわけです。
堀江先生よろしくお願いします。
以上。#05に続く
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