薄毛治療は保険適用される?治療費用を抑えるポイントも解説!
薄毛に悩み、AGAクリニックでの治療を検討している人は多いでしょう。薄毛治療は基本的に自由診療(保険適用外)となります。内科や外科にかかるのと異なり、公的医療保険の補助は受けられません。どのぐらいの料金がかかるのか、不安に思う人もいるはずです。
この記事では、「薄毛治療と保険の関係について」「できるだけ治療費用を抑える方法」などを紹介します。最後までお読みいただき、疑問を解消して治療に臨みましょう。
- AGA治療(薄毛治療)は保険適用されない
- 例外的に保険適用される治療も
- 保険適用外でもクリニックでのAGA治療(薄毛治療)がおすすめの理由
- AGA治療(薄毛治療)で後悔しない!費用をおさえる3つのポイント
- まとめ
AGA治療(薄毛治療)は保険適用されない
薄毛治療は残念ながら、保険適用される治療ではありません。そのため、内服薬や外用薬などの治療費は、全額自己負担で支払う必要があります。
薄毛治療はクリニックを受診して医師の診断のもと行うものなのに、なぜ保険適用されないのでしょうか。その理由を説明します。
保険適用外なのは「厚生労働大臣の定める医薬品による治療」ではないため
薄毛治療に保険適用されないのは、治療に使う薬が「厚生労働大臣の定める医薬品」ではないためです。
まず、保険が適用されるためには、その診療が以下の条件を満たしている必要があります。
保険医が保険医療機関において健康保険法・歯科医師法・医療法・医薬品医療機器等法等の各種関係法令の規定を遵守し、療養担当規則の規定を遵守し、医学的に妥当適切な診療を行い、診療報酬点数表に定められたとおりに請求を行っている。
(引用:保険診療の理解のために 厚生労働省保険局医療課医療指導監査室)
しかしこれだけでは、薄毛治療が自由診療になる理由が読み解けません。そこで文中に出てくる「療養担当規則(保険医療機関及び保険医療養担当規則)」を見てみましょう。
「療養担当規則」では、保険診療について、以下の通りに定めています。
第十九条 保険医は、厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬物を患者に施用し、又は処方してはならない。
(引用:保険医療機関及び保険医療養担当規則)
AGA治療薬として用いられる薬は、厚生労働省の定める「薬価基準収載品目リスト」に掲載されていません。つまり「厚生労働大臣の定める医薬品による治療」ではないため、保険適用がされず、自由診療となってしまうのです。
ここまで確認して、「もしかして、AGA治療って危険なのでは?」と思った人もいるかもしれません。しかし、その点は安心してください。日本皮膚科学会が「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」で、その安全性を確認しています。
AGA治療薬の評価は、「A(強く勧める)」「C1(行ってもよい)」などです。保険診療にはなりませんが、AGA治療(薄毛治療)は安心して受けられる治療といえます。ところで、保険診療にならないことがわかれば、次に気になるのは「受診時に保険証は不要なのか」という点ではないでしょうか。
AGA治療は自由診療のため、クリニックへ保険証を提示する必要はありません。ただし、後述する「例外的に保険適用される治療」をする際は、保険証が必要となります。AGA治療・薄毛治療を希望する際は、念のため保険証を持参しましょう。
またクリニックによっては、初診時に保険証を確認する場合もあります。クリニックのホームページで初診時に必要なものを確認し、記載があった場合は忘れずに持っていくようにしましょう。
セルフメディケーション税制や医療費控除も利用できない
保険や税制に詳しい人の中には「公的医療保険が活用できないなら、セルフメディケーション税制や医療費控除を利用して、お得に治療を受けたい」と考える人もいそうです。しかし薄毛治療の場合、医療費控除やセルフメディケーション税制も利用できません。
はじめに、医療費控除と薄毛治療の関係について確認しましょう。医療費控除については、国税庁から詳細が発表されています。そのうち「健康診断および美容整形手術のための費用」の項目を引用します。
(健康診断及び美容整形手術のための費用)
73-4 いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する。
(引用:第3節 所得控除 法第72条《雑損控除》関係)
薄毛の症状は、生活に支障をきたしたり、命に関わったりするものではありません。そのため、美容目的の治療(審美治療)としてみなされます。つまり薄毛治療は「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用」に該当し、医療費控除を利用できないのです。
次に、セルフメディケーション税制と薄毛治療の関係について確認しましょう。セルフメディケーション税制の規定は、以下の通りです。
医療費控除の特例として、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるもの。
(引用:セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について)
つまり、スイッチOTC医薬品でないとセルフメディケーション税制を利用できません。スイッチOTC医薬品とは、医師から処方される医薬品のうち、市販薬として購入できるようになったものをいいます。
そのため、クリニック内で薬が処方される治療はセルフメディケーション税制の対象にならないのです。
例外的に保険適用される治療も
薄毛治療のなかには、例外的に保険適用されるものもあります。その代表的な症状が「円形脱毛症」、「びまん性脱毛症」、「脂漏性脱毛症」です。こういった診断が下れば、保険が適用される場合があります。
しかし、一点注意しておきたいのが「保険診療と自由診療を併用すると、混合医療として処理される」という点です。保険適用の治療と自由診療の治療を同時に行うことを、「混合医療」と呼びます。
混合医療の治療費は、保険適用ものを含めて全体的に自費診療として処理するよう、厚生労働省により定められています。
混合医療となりそうな場合は、コストを考慮して治療を選択する必要があります。
保険適用外でもクリニックでのAGA治療(薄毛治療)がおすすめの理由
「保険適用されないうえ通院費や再診料・定期的な採血代がかかるなら、薬を自己輸入したほうがコストパフォーマンスがよい」と考える人もいるでしょう。現在では、フィンペシアやフィナステリド、ミノキシジルなどを個人輸入し、服用することも可能です。
しかし、医薬品の自己輸入には、大きなリスクが伴います。たとえば、クリニックを受診すれば医師が判断してくれる薬の濃度も、自身で見極めなければなりません。血液検査の結果・専門家の判断がないなかでAGA用薬を服用すれば、肝機能障害・勃起不全など、重篤な副作用を引き起こす可能性が高まります。
そのうえ、輸入薬には下記のリスクもあります。
- 成分量が表示と一致していない可能性がある
- ほかの医薬品成分も入っている可能性があり、副作用や過剰摂取につながる場合がある
- 不純物が混ざっている可能性があり、体調に影響を及ぼす場合がある
- 重篤な副作用が起きても、医薬品副作用被害救済制度をはじめとするセーフティネットを利用できない
- 使用方法が外国語で書かれており、正しく服用方法を把握することが難しい
上記からわかるように、個人輸入薬の服用は、リスクが大きい行為です。そのため個人で治療薬を輸入・服用せず、医師の判断で正しい薬を処方してもらう必要があります。
AGA治療(薄毛治療)で後悔しない!費用をおさえる3つのポイント
クリニックで治療をはじめるとしても、家計に負担をかけたり生活が苦しくなったりするのは避けたいですね。そこでここからは、薄毛治療の費用を抑えるための3つのポイントを紹介します。
治療を検討している人は、ひととおり確認してみてください。
治療は早い段階ではじめる
AGAは進行性のため、早期治療が肝心です。症状が悪化してから治療をはじめる場合、高濃度の薬・複数の薬を服用しなければ効果を期待できない場合があります。治療費を抑えるのであれば、症状が軽度のうちに受診することが大切です。
「AGAは早期治療が重要」といわれる理由としては、ヘアサイクルの問題があります。ヘアサイクルは、髪が生えて成長し、抜けるまでの周期をいいます。実は、ひとつの毛根の担えるヘアサイクル数は、上限回数が決まっているのです。
AGAは、ヘアサイクルのスピードを速めてしまう症状です。そのためAGAを放置していると、ヘアサイクルがどんどん消費されます。薄毛を放置した期間が長ければ長いほど、その後、髪が生える可能性も少なくなってしまうのです。できるだけ長くフサフサな自分でいるためにも、早期の治療が肝心といえるでしょう。【AGA治療は何歳から何歳まで?発症年齢と治療年齢を解説!】にAGAと年齢の関係についても、詳しく紹介していますのでご覧ください。
モニター制度・キャンペーンを利用する
AGAクリニックでは、「モニター」や「キャンペーン」などを実施している場合があります。そうした制度を利用することで、よりお得に治療を受けられます。
モニターとは、経過を写真や動画で記録し、その情報を広告・CM・資料などに掲載することを了承する代わりに、割安で治療を受けられるものをいいます。治療内容は通常のものと変わりませんが、30~50%ほど安く治療を受けられます。
一方、キャンペーンは、対象期間内に対象となる人が申し込みをすれば、お得に治療が受けられるものです。たとえば、「乗り換え割」「20代の治療開始で10%オフ」などが挙げられます。ただしキャンペーンは、募集期間が限られている点に注意しましょう。
モニター募集をしているクリニックは「薄毛治療のモニター募集をしているAGAクリニック5院|申込方法・費用も」で詳しくご紹介しています。チェックしてみてください。
医療ローンを活用する
AGA治療の際、医療ローンが使える場合もあります。医療ローン(メディカルローン)は高額な治療費がかかる際に利用できる、医療専用のローンです。
医療ローンを利用できれば、分割して支払いができ、家計への負担を抑えられます。ただし、利用には審査があります。希望すれば誰でも利用できるものではないため、注意してください。
詳しくは「自毛植毛でローンは組める?メディカルクレジットを使うメリット」でご紹介しています。この記事は「自毛植毛」の場合で説明していますが、「薬物治療」でも同様の内容になりますので、できるだけ家計への負担を軽減したい人は、チェックしてください。
まとめ
薄毛治療は、保険適用されません。そのうえセルフメディケーション税制や医療費控除も利用できず、コストのかかる治療です。
しかし、治療費をできるだけ抑える手段はあります。「早期治療」「モニター・キャンペーンの利用」「医療ローンの活用」の3つです。AGA専門のクリニックで、上記のような制度を活用し、安全安心に治療をはじめましょう。
- 参考文献
・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
・国立保健医療科学院 健康危機管理支援ライブラリー https://www.niph.go.jp/h-crisis/
・クリニックフォア https://www.clinicfor.life/
・イースト駅前クリニック https://www.eastcl.com/
・AGAメディカルケアクリニック https://agacare.clinic/
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