「結婚や子供を持つことは“ぜいたく品”」広がる若者の声を真剣に考えよう
「少子化対策のためにも子供を産もう」と声高に叫ばれていますが、当事者たちにとって大きな壁のひとつが金銭面でしょう。SNS上には20代、30代の男女から「結婚や子供を持つことは“ぜいたく品”」という切実な声がよくあがっています。私の周りでも「1人は欲しいけど、2人目は経済的に不安」と、きょうだいを産んで育てたい人は少数派の印象。相当、大胆な改革がない限りは、少子化対策が解決するとは思えません。
そんな中、東京都の小池百合子知事が、少子化対策・子育て支援として、0歳から18歳の子供1人につき月額5000円、年間6万円を一括で給付するという方針を打ち出しました。この子育て支援は、2024年1月から開始され、前年度分の6万円が一括給付される見通しとのこと。
また、健康な女性が将来の妊娠・出産に向けて卵子を凍結保存する際の助成制度も検討しているそうです。実際、女性の社会進出に伴って晩婚化が進む中で卵子凍結に対する関心も高まっています。会社の福利厚生のひとつとして卵子凍結の費用の補助などを行う企業も出ているくらいです。
東京都が描く施策では、社員の福利厚生として卵子凍結の費用の補助などを新たに行う企業には60万円程度を助成するそうです。さらに、卵子を凍結保存している女性が妊娠に向けて治療を行う際には、15万円を上限にして、費用の7割を助成する方針とのこと。
昨年、ようやく不妊治療の保険適用化が動き出しました。今年から来年にかけて、続々と少子化対策に向けての支援が充実していくのは良いことだと思います。ただ、卵子凍結をしたとしても老化による身体の負担など高齢出産後のシニア子育ての課題も残ってます。「卵子凍結したからもう安心」ではありません。自治体もできうる限りの対策と情報発信を大切にしてほしいものです。
妊娠がいつまでできるかは人それぞれ。さまざまな選択肢が整って、初めて社会全体に子育ての機運が生まれるのではないでしょうか。
この記事のライター
工藤 まおり
フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
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