医師監修【ドリンク6選】テストステロンの分泌を助ける飲み物はこれだ!

【ドリンク6選】テストステロンの分泌を助ける飲み物はこれだ!

テストステロンは、男らしい体を作り、バイタリティ溢れる日々を送るのに重要な男性ホルモンです。テストステロン値の高い男性は一般的に健康的で前向きだといわれます。

テストステロンを高めることでの様々なメリットは【さまざまな効果があるテストステロン(男性ホルモン)とは】に詳しくまとめておりますので、ご興味がある方は合わせてご確認ください。

ネット上にはテストステロンの分泌に役立つとされるドリンク、逆に悪いとされるドリンクが列挙されており、「どれの何の成分が良いのかわからない」「そもそも本当にテストステロンを増やしてくれるのかわからない」ということも少なくありません。

そこで今回は、医療法人社団三橋医院 ディオクリニックの藤井 崇博 先生が、研究論文をもとにテストステロン分泌に役立ちそうなドリンクを6つ紹介します。お好きなドリンクを日常に取り入れて、健康的な食生活を始めましょう!

医療法人社団三橋医院 ディオクリニック「藤井 崇博 医師」

テストステロンの分泌を増やすためにできることと必要な栄養素

テストステロンの分泌を増やすためにできることと必要な栄養素

ドリンクをご紹介する前に、まずはテストステロンの分泌を増やすためのポイントをチェックしてみましょう。体のどの部分の機能を高めればいいのか、そのためにどんな成分が必要なのかを知れば、積極的に飲みたいドリンクもわかってきます。

テストステロン分泌には副腎が重要

テストステロンを生成するためにはDHEA、DHEA-S(DHEAの硫酸化体)というホルモンが必要になります。

例えば誠和会牟田病院による論文では「副腎や末梢組織で産生されるDHEAがいわゆるイントラクリノロジー(intracrinology)機構により骨、前立腺、乳腺などの細胞内で性ステロイドに転換され、作用を発揮している」(引用:http://www.toukastress.jp/webj/article/2020/GS20-02j.pdf

としており、DHEAやDHEA-Sがテストステロンの元となるとしています。また引用箇所にもあるように、DHEAは副腎で産生されます。テストステロンの「原材料」であるDHEAやDHEA-Sを確保するためには、副腎を守ることが重要なのです。

一方で、同論文では「老化に伴うDHEAやDHEA-Sの低下の機序には諸説あるが、副腎ミクロゾームの脂質過酸化はDHEAの合成を担うP450c17活性を障害すること、抗酸化物質のビタミンEがこの障害を防御することが報告されており、老化に伴う副腎酸化ストレスの亢進がその機序の一つである可能性がある」(引用:http://www.toukastress.jp/webj/article/2020/GS20-02j.pdf

と、老化に伴って増加した副腎への酸化ストレスが、DHEAやDHEA-Sの低下を招いている可能性を示唆しています。

ここから「副腎の機能を維持しDHEAやDHEA-Sの産出量を守れば、テストステロン量の維持・増加につながる」のではないかと推測できます。

副腎を守るにはビタミンCとポリフェノールが重要

副腎の機能を維持するためには、日ごろどんなことに配慮するべきなのでしょうか。実はそのヒントも、同論文内に記述されています。

該当箇所を引用すると「我々は、抗酸化物質のアスコルビン酸(ビタミンC)が副腎に特異的を集積することを観察している」(引用:http://www.toukastress.jp/webj/article/2020/GS20-02j.pdf

とあります。酸化ストレスから副腎の機能を守るには、抗酸化物質が有効である可能性が考えられるのです。そこで、抗酸化物質、とりわけビタミンCの摂取が副腎を守る役割を担うと推測できます。

しかし、ビタミンCは体内で生合成することができません。飲む・食べることで摂取するしかないのです。加えて熱に弱い特性があり、過熱処理すると成分が壊れてしまうという特徴もあります。

そこで有効なのが、ドリンクという選択肢です。ただし過熱してしまうと目的の成分が摂取できないため飲み方・作り方には注意が必要です。

副腎を守るドリンク6選

副腎を守るドリンク6選

それでは、実際に副腎を守り、結果としてテストステロン分泌に役立つと思われるドリンクを6つご紹介します。

バナナジュース

バナナはビタミンC・ビタミンEやポリフェノールを豊富に含んでいます。朝食時はお茶などではなく、バナナジュースを飲むのがおすすめです。特にポリフェノールは熟したバナナに多く含有されているので、購入する際はシュガースポットのある、よく熟したバナナを選ぶのがおすすめです。

またバナナにはブロメライン(ブロメリン)という酵素も含まれています。ブロメラインの機能については以下の報告がされており、酸化ストレスにより睾丸の機能を損傷させるアルミニウムから、その機能を守ってくれることがわかっています。最初に取り入れるなら、バナナジュースがおすすめです。

「 In conclusion, bromelain had a powerful protective role against Al-induced testicular dysfunction so, it represents a novel approach in metal toxicity processing.」(引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32763766/

ルイボスティー

ノンカフェインで女性に人気のルイボスティー。このドリンクは非常に強い抗酸化作用があるとされています。その抗酸化作用はルイボスティーに豊富に含まれるビタミンCとポリフェノールに支えられており、バナナジュースと同様の効果が期待できます。

さらにテストステロンや精子の形成に役立つほか、疲労回復効果もある亜鉛も含有。産地であるアフリカで「不老長寿のお茶」と呼ばれているのも納得できる効果があります。

これらに加えて、発酵前の緑色の葉を使用した「グリーンルイボス」には「アスパラチン」という抗酸化物質が豊富に含まれており、より効果的。テストステロンを意識するなら、赤いルイボスティーよりもグリーンルイボスを選ぶのがおすすめです。

ルイボスティーを飲む際は、水の状態から煮出し、湯温が下がってからティーバッグを取り除くと、よりしっかり成分の抽出ができます。飲み方に少しだけ注意するだけで、より効果が期待できるようになります。

ザクロジュース

あまりメジャーではないものの、コンビニやスーパーなどで見かけることも増えてきたザクロジュース。

実はザクロにはビタミンCだけでなく、タンニン、アントシアニンなど複数のポリフェノールが含まれており、強い抗酸化作用が期待できます。

また、アスパラギン酸やアミノ酸、クエン酸なども含まれているので、疲労の解消にもぴったりのドリンクです。ザクロジュースの優れた効果とテストステロンとの関係性について詳しくは【ザクロジュースはテストステロンに影響があるのか?】をご覧ください。

コーヒー

仕事の前や仕事中、頭をすっきりさせるためにコーヒーを飲む人は多いですよね。コーヒーにもポリフェノールが含まれており、抗酸化作用が期待できます。

加えて、運動前にカフェインを取るとテストステロン値が70%上昇するという興味深い論文も出ています。

「After half-time, salivary testosterone increased by 70% (+97 ± 58 pg·ml) in CAF vs. PLC (p < 0.001), whereas salivary cortisol remained unchanged (p = 0.307). 」(引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29210957/

普段ジムへ通っている、長距離を歩く、という人は、事前にコーヒーを飲んでおくとテストステロン値が増えることが期待できそうです。

ココア

子供や女性が好んで飲むイメージの強いココア。原材料となるカカオにはポリフェノールや亜鉛が豊富に含まれていて、テストステロンの分泌に良い効果が期待できます。

カカオが原料ということでは、チョコレートドリンクやチョコレートトッピングをしたドリンクなどでも同様の効果が得られるでしょう。

生姜湯

最後におすすめするのは、冬にうれしい生姜湯です。ぽかぽかと体の隅々まで温めてくれるショウガも、ジンゲロール、ジンジャーオールといったポリフェノールが含まれています

加えてショウガは代謝アップの効果も期待できるので、スマートな体形維持にも役立ちます。

運動に加え、ピリッと刺激的な生姜湯を飲む習慣をつければ、体も引き締まってくるのではないでしょうか。

テストステロンを意識している人はバナナを多く摂ろう

テストステロンを意識している人はバナナを多く摂ろう

前述のように、バナナにはビタミンC・ビタミンE、ポリフェノールが多く含まれています。

もちろん、そのまま食べても結構ですし、摂取する時間に制限はありません。バナナジュースを朝食時に飲む、夕食と置き換える、など飲み方は自由です。

バナナには「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促進するトリプトファンも含まれています。気分が落ち込んでいるときや、睡眠が浅くて調子が出ないときにもおすすめです。

テストステロン分泌のためには、お酒は控えよう

テストステロン分泌のためには、お酒は控えよう

仕事を頑張った日、しっかり運動をした日、オフの日。そんなときにはぐっとお酒を飲みたくなるでしょう。しかし、テストステロンのことを考えると、お酒は控えるのがおすすめです。

ウイスキーや赤ワイン、カリン酒などがテストステロンの分泌を増やすと一部でいわれていますが、これも避けた方がいいかもしれません。

それというのも、アルコールはホルモンバランスを崩してしまうから。お酒とテストステロン分泌の関係については、様々な論文が出されています。その結論には分泌量が増えるというものと、減るというものがあります。

まず、お酒がテストステロンの分泌量を増やすとする論文を見てみましょう。

運動のあとに、体重1キロあたり1.09gのエタノールを摂取したグループと、エタノールを摂取しなかったグループとで比較した実験です。摂取したグループのほうがフリーテストステロンの数値が優位に上昇したと記載があります。

「At 140-300 min postexercise, TT, FT, and free androgen index were significantly higher for EtOH (TT: 22.5 ± 12.5 nmol·L; FT: 40.5 ± 7.6 pmol·L) than for placebo (TT: 13.9 ± 6.8 nmol·L; FT: 22.7 ± 10.0 pmol·L).」(引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23470309/

また別論文では体重1kgあたり0.5g程度のアルコールを摂取した場合の検証も行われています。この場合も上記の論文と同様、テストステロン値が上昇すると結論付けています。

「After intake of alcohol (0.5 g/kg, 10% w/v), an acute increase in plasma testosterone (from 13.5 ± 1.2 nmol/liter to 16.0 ± 1.6 nmol/liter, mean ± SEM;p < 0.05)」(引用:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1530-0277.2003.tb04405.x

一方で、アルコール摂取後のテストステロン値は減少する、と記載された論文もありました。まずはラットにおける実験で、睾丸におけるテストステロン生成を抑制すると結論付けた論文を引用します。

「These results demonstrate a direct inhibitory effect of ethanol on testicular testosterone synthesis. 」(引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/219455/

次の論文もラットにおける実験で、2.5mMの低い濃度のアルコールを摂取した場合はテストステロン値が減少し、40mMの場合は変化が無かったとしています。

「Very low ethanol concentrations (2.5 mM) reduced testosterone production significantly, whereas even 40 microM acetaldehyde added repeatedly to the incubation medium had no effect on testosterone levels. 」(引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3593480/

このように研究によって結論は様々です。現時点では、テストステロン分泌を阻害しないために飲酒は避ける方が無難かもしれません。

まとめ

テストステロン分泌に役立つと思われるドリンクとしては、、バナナジュースが最もおすすめです。

コンビニをよく利用するのであればザクロジュースを購入するのもいいですし、お仕事中にはコーヒーをお供にするのもよいでしょう。

ドリンクで、毎日コツコツと健康的な体を作っていきましょう。

  • 参考文献
    ・Dole https://www.dole.co.jp/
    ・全国チョコレート業公正取引協議会 http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/q3/index.html
    ・Pubmed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18222572/
    ・BFRトレーナーズ協会 https://www.bfr-trainers.jp/column/33
    ・わかさの秘密 https://himitsu.wakasa.jp/
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この記事の監修者

藤井 崇博

藤井 崇博

医学博士、循環器内科専門医であ医療法人三橋医院理事長の藤井崇博と申します。 専門領域は循環器内科で心臓領域を専門としており、研修医から2021年まで約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事させて頂き、循環器内科専門医、循環器内科領域での医学博士号を取得しております。現在も循環器疾患を含め外来での診療は継続させて頂いております。 循環器内科医として様々な患者さんの診察に日々従事する中で、何よりも大事なのは未病、医学的には一次予防と呼ばれる未然に病気になるのを予防しようとする意識が大事だと常々思います。最近では対面でお話出来ないことも多いので、SNSやその他コラムなどで健康に有益な情報の発信に力を入れております。


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