テストステロン高いと「悪いがん」になりにくい!長寿も高める「魔法のホルモン」
当欄ではこれまで、テストステロン値を高くすると生活が豊かになることを紹介してきました。単純に気力がみなぎるだけでなく、職業の選択や仕事内容の向き不向きなどもテストステロンがつかさどっています。
そしてもちろん、テストステロンは気力だけではなく、「身体」にも大きな影響を及ぼします。テストステロンが低くなると、筋力低下や疲労、ほてり、発汗などの男性更年期の症状を引き起こしやすくなります。生活習慣病の懸念も出てきます。
では逆に、高いと体にはどのようメリットがあるのでしょうか。
■テストステロンが高いと長生き
世界各国では、5年・10年と長期的に経過を見る健康調査が活発に行われています。その中には「テストステロンが高い人は長生きする」という統計データもあります。
テストステロン値のレベルを4段階に分けて検証したところ、一番高いグループの人は一番低いグループの人と比較して、脳梗塞や心筋梗塞など血管系の病気にかかる割合が約5割も少なく、がんにかかる割合も約3割少なかったというのです(Khaw KT,et al. Circulation116:2694-2701,2007.)=表
大きな病気になりにくいということは「長寿」につながります。結果的として、テストステロンが高い人は長生きしやすいと言えそうです。
■“悪いがん”になりにくい
奇妙な表現になりますが、がんには“良いがん”と“悪いがん”があります。良いがんは体の中で大きくなっても悪さをしないがんです。例えば、前立腺がんの中には良いがんが存在します。前立腺がんを抱えながらも長生きする人はたくさんいます。
そうした良いがんを悪いがんにしないようにするメカニズムにテストステロンが関係していることが研究から分かってきています。
【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。
【堀江メソッド】
テストステロンが低いとLOH症候群(加齢性腺機能低下症)や男性更年期障害になってしまいますが、ネガティブなことにだけ目を向けず、高くすることによって得られるメリットを考えることで「生活習慣を変えよう!」という気持ちにもなります。低ければ体に不具合が起こり、高ければ体が健康になる。テストステロンはやはり男性にとって魔法のホルモンと言えます。
【協力】 日比谷国際クリニック(東京都千代田区) =http://www.hibiyakokusai.or.jp/
この記事の監修者
堀江 重郎
1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。
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