日本ではサプリでは買えない話題の「DHEA」含む食材とは?

堀江メソッド筋トレ20220727/自然薯

今回は「マザーホルモン」と呼ばれ、テストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンを作る材料のDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)について解説します。

DHEAは主に副腎で作られます。男女とも思春期に分泌量が高まり、20代をピークに低下していきます。アメリカではDHEAのサプリメントが人気ですが、日本ではDHEAを含む製剤は医薬品とされますので、市販はされていません。海外サイトでサプリは購入可能ですが、服用の際は医師への相談など十分な注意が必要です。

私たちはストレスを感じると外敵から身を守る本能が働き、副腎からコルチゾールが分泌され血糖値を上げます。これは危機を乗り切るための必要な作用です。しかし、この時に発生する活性酸素が免疫力の低下や筋肉の合成を抑制します。その負の効果から、コルチゾールは”老化のホルモン”と呼ばれています。

そこで、同じ副腎から分泌されるDHEAの出番です。DHEAはコルチゾールとは逆に、免疫力を高めたり筋肉や骨の合成を促進します。“若返りホルモン”であるDHEAとコルチゾールのバランスが大切です。

では、どのようにDHEAを上げればいいのか。第一に重要なのは食事です。

精製された小麦粉などは血糖値を急激に上げてしまいます。すると、急いで副腎からインスリンを出さなくてはならないため、副腎が疲れてしまいDHEAの分泌に悪影響を及ぼすので注意しましょう。

また、近年の研究で自然薯にDHEAが含まれていることが分かりました。自然薯は縄文時代の稲作が始まる前から食されていたという説もあります。平安時代の今昔物語集には、自然薯を使ったとされる芋粥を正月に食べることで貴族階級が一年の健康を願うという記載もあります。健康オタクといわれる徳川家康もとろろ飯を好んで食べていたそうです。自然薯は健康食として知られていましたが、DHEAが含まれていることが分かり、その裏付けとなりました。

自然薯にはDHEAを作る副腎に必要な栄養素であるビタミンC、Eも豊富に含まれています。まさにスーパーフードですね。

DHEAはコレステロールから作られますので、極端に動物性食品を取らない過度なダイエットはよくありません。健康維持にはバランスの取れた食事がとても大切ですが、DHEAを増やす(=性ホルモンを増やす)ことも大変重要なのです。

その食事とともに欠かせないのが運動です。特に、下半身の大きい筋肉を使う筋トレが効果的です。

【一般社団法人1UP学会】

男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。


【堀江メソッド】

海外のDHEAサプリはネットで簡単に購入できてしまいますが、長期服用や過度な摂取による副作用が確認されていますので注意が必要です。具体的には、倦怠感やニキビ、不整脈などがあり、前立腺がんや乳がんの進行を早めるリスクも確認されています。安易にサプリに頼りすぎるのは危険ですので、まずは日頃の生活習慣を見直すことから始めてみてください。

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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