テストステロンアップに最適な運動法「HIIT」
中高年男性の活力を左右する男性ホルモン「テストステロン」を増やすのに最適な方法のひとつが「運動」です。筋トレだけでなく、運動全般がテストステロンにとっては非常に良いものです。
しかし、ただ激しい運動をすればいいというわけではありません。例えば、長距離を走り肉体のギリギリまで絞り切るようなマラソンや長距離のロードレースなどの持久力運動は、テストステロンを著しく低下させます。
一方、インターバルを挟みながら強度の高いトレーニングを短時間で行うことはテストステロンを上げるのに有効だということが、さまざまな研究から分かってきました。
今回は、「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」のメソッドを紹介します。HIITは立命館大学の田畑泉教授が考案したことから、海外ではTABATA、日本でもタバタ式とも呼ばれています。ただし、HIITはトレーニング方法の総称で、特に種目が決まっているわけではありません。
ヒトのエネルギー供給源は、酸素を介した有酸素性のルートと、酸素を介さない無酸素性のルートの2つ。その両者に、同時に最大・最高の負荷がかけられるのがHIITです。
田畑教授は20秒運動+10秒休息の組み合わせが最大の運動効果が出ることを見出しました。20秒の運動は最大酸素摂取量の170%という高い強度で行います。これに10秒の休みを挟んで6〜8セット行うと、高強度で刺激される無酸素性システムに加えて有酸素性システムも活性化できて、持久力が上がるのです。コツとしては「これ以上はできない!」といったくらいの負荷をかけることです。
また、このHIITは短時間で行えるものの毎日行うのは逆効果で、通常の筋トレと同様に3日に1日程度のスパンで行うことが効果的だと言われています。時間のない人や、ジムにまで足をのばせない人にとっては非常に有効的なトレーニングです。
次回以降、HIITを飽きずに行うためのさまざまなメニューを紹介していきます。
【一般社団法人1UP学会】
男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。
【堀江メソッド】
角川新書から、『LOH症候群』を上梓しました。テストステロンが減ってしまう男性更年期障害の診断、治療、そして予防を解説しています。テストステロンのアップ法も詳しく紹介しています。HIITについても参照してください。
【協力】 日比谷国際クリニック(東京都千代田区)=http://www.hibiyakokusai.or.jp/
この記事の監修者
堀江 重郎
1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。
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